El Chalten ( Fitz Roy )
Patagonia - Argentina















El Calafate ( エル・カラファテ ) へは Puerto Natares からバスで約 6 時間.国境越えが有るため、手続きのためバスの切符は前日に買って置く必要があります.また Lagoa Argentina 国際空港には Buenos Aires から直行便が飛んでいます.

El Chalten ( エル・チャルテン ) へは El Calafate からバスで 4 時間.El Calafate 市内の旅行会社でツアーバスがいろいろ出ています.


1/18 の 8 時発の El Calafate 行きのバスに乗る.ペンギンツアーや Punta Arenas - Puerto Natares のバスで一緒だったお兄さんとまた一緒になる.出発際に何か揉めていたが、どうやら 45 人乗りのバスに対して 46 枚発券したらしい.全く何をやっているんだか...道の両側は雪かと見紛うような花が咲き誇っている.その中の砂利道をバスはひた走り、Torres Del Paine へ行く道との分岐点に Chile 側の国境事務所がある.建物は非常に綺麗だが小さいので、中に一気に入れず、寒風の中を暫く待つ.

チリの国境を越えて 10 分くらい走ると今度はアルゼンチンの国境に着く.入国カードに記入欄がいろいろ有るがとりあえず全部 No にチェックを入れておく.アルゼンチン側の国境事務所はチリとは違って古く狭く、外で随分と待たされる.

国境事務所を出て、バスは El Calafate へと向かうが、周りの景色はどんどんと乾燥化して行く.ひたすら牧場で有ることは確かなのだが緑が無い.アメリカの西部劇に出てくるような乾き切った中をひた走る.道沿いに牧場の柵が在るが、細い木で約 1.5 m 間隔.8 本おきに太い木が使われている.針金は上中下の 3 本.このが何百キロメートルも続いている.一体誰がどれだけの時間を掛けてこの柵を打って行ったのだろうか.

13 時過ぎに漸く砂利道から解放され、R40 の舗装道へ入るが、相変わらず荒涼とした光景の中をひた走る.丘の下の湖の麓に集落が見えたと思ったら El Calafate に到着.暖かい.

バスターミナルで El Chalten 行きのバスの切符を買い、要らない荷物をホテルに預ける.しばし買い物をして大散財.この街は観光客向けのおしゃれな店やレストランが通り沿いに続いている.それぞれ工夫した看板を歩道に立て、見ていて飽きない.

Chalten 行きのバスは 18:30 発.200 Km とか書いてあるので所要時間を聞くと 4 時間との事.幾ら夏で日が長いといっても着いたら既に夜中じゃないか.他のバス会社もどれもこれも似たような時刻の出発だ.チト参るな.

バスは砂利道をひたすら走り続ける.途中で一回休憩し、また延々と砂煙をあげながら走り続ける.氷河が融けて出来た独特の青さを持つ広大な湖の向こうにアンデスの山並みが続いている.20:30 頃に車窓から Fitz Roy が見えてきた.Torres Del Paine でもそうであったが、喩え上が雲に隠れていても、それが初めて見る景色であっても、周りが全てアンデスの山々で囲まれていても、こういう著名な山は一目見て判るものだ.視界に入る数十数百の峰の中で、それだけが超然と圧倒的な存在感を出している.

西日が沈みかけ、砂漠の丘陵を照らし、このアルゼンチン最大の湖の奥にはアンデスが浮かび、雲が夕焼けに染まってまるでこの世の終わりのような光景を醸し出す.El Calafate のキャッチフレーズは World End であるが、違った意味で将にそのままである.

22:30 に El Chalten に到着し、真っ暗闇の中を他のキャンパー達と一緒にキャンプ場までぞろぞろ歩く.幕営しているキャンパーに水場を聞くと傍を流れる川、Rio Vuelto との事.暗闇の中を川まで行くが大きな川で、氷河解けの独特の青濁りの水だ.飲むのはワイルドと言うよりデンジャラスといった感じだがまあ仕方が無い.

23 時、24 時とバスが到着してキャンパーがやってくる.バス会社もホテルとつるんで好き放題のダイヤを組んでいるな.スイス人の女の子 2 人組みとチリのお兄さんの計 4 人でランタンの明かりの下で地図を見ながら明日の予定などを話す.もう食べる予定の無い中華三昧をチリのお兄さんにプレゼントすると随分と喜んでくれた.

1/19、昨晩は暖かかったが朝には随分と冷え込む.昨日同様どんよりと雲が掛かっているが、こんな砂漠地帯では雨なんて降らないだろう.8:40 にテントを残したまま小さな荷物だけで登り始める.

キャンプ場を出てすぐに在る Miranda Fitz Roy の坂は非常に急で、へたりながら登って行く.登り切ったところで今まで空を覆っていた雲は無くなり快晴となる.年中雲が掛かって見えないと言われていただけに非常にラッキーだ.

最初の坂を登り切ると、明るく開けた湿原地帯に入り、それからはずっと真正面に Fitz Roy が見えている.非常に眺めが良くて歩き易い散歩道だ.途中で日本から来た夫婦と出会うが、彼らは登らずにこの湿原地帯を散歩して周る予定との事.写真を撮るだけなら確かにそれの方が景色も良さそうだ.

直下から再び急な坂を 30 分ばかり登って Fitz Roy に辿り付く.山頂下の池は Torres Del Paine と違って青白く濁っている.後で聞いたところによるとこの水は飲料可能だそうだ.飲めば良かった...湿原地帯の池や川は信じられないくらい青く透き通っている.どうやら見たところ、氷河から直接流れ出した水は青く濁るが、一旦地中に潜って出てきた湧水は透き通るようだ.

17 時にキャンプ場に戻り、テントを畳んでバス乗り場の YH へ行く.アメリカ人が片言の日本語で話しかけてきたが、今までこれだけ溢れんばかりの外国人が居た中で、アメリカ人と出会ったのは初めてだ.いろいろ観察していると、この地に来るバックパッカーやハイカーは圧倒的にイタリア人が多い感じだ.

18 時にバスは Chalten を出る.車窓から振り返ると Fitz Roy と Cerro Torres が見える.今朝はどちらに行こうかと迷っていたのだが Fitz Roy に行って正解という感じだ.Cerro Torres も非常に奇異な姿の岩峰だが、Fitz Roy と比べるとまるでおまけのような存在である.

往路のバスは全て固定窓だったが復路のバスは普通の観光バス.砂埃が入らないように窓は全て厳重に目張りがしてあるが、それでも若干砂が入って来ている.ちなみにフロントガラスは金網で覆われていて、他車が石を飛ばしてきてもガラスに直撃しにくいようにしてある.西日に照らされた砂漠の光景に見とれながら 22 時に El Calafate に着く.



2001/ 1/13-22

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